これまでにJHMに実際に寄せられた相談内容と対応についてのレポートを掲載します。
相談レポート
■邸名 K様邸(東大阪市)
■建物 木造2階建 在来工法
■調査 平成20年5月13日
■調査者 設計事務所GA-PLAN一級建築士事務所 馬場 龍(JHM会員) 馬場多佳子
1.結露について
【現状】
① 1階リビングに敷いてあるホットカーペットとフローリングの間が、じめっとしてカビが生えている。
② 部屋全体が湿っぽい。
③ キッチン下部(引き出し収納部の奥)にカビがたくさん発生している。
【調査者考察】
床下換気は基礎パッキン工法。
床下はポリスチレンホームの断熱材が施されている。
サッシはペアガラス。
24時間換気の吸気はアルミサッシの換気框から、排気は浴室からとなっている。(法的設計上の問題は無い)
【原因】
イ)①・②は、室内の湿度が高く、カーペットに水分が含まれやすくなり、それがカビ発生の原因だと思われる。
ロ)③は、上の写真のように、洗物の排水と食洗器の排水のジョイント部の施行不良(ガムテープで巻かれている)による。食洗器からは温水が排出されるので、その水蒸気がジョイント部から漏れ、その周辺にこもり、カビの温床となったことが考えられる。
【対策】
イ) ①・②については、24時間換気だけでなく、定期的に窓を開けるなどの自発的換気をすることが望ましい。 また、ホームセンター等で温湿度計を購入し、室内管理に利用すると良い。
ロ) ③につきましては、施行不良につき、施工者に改善を求める。
2.天井継ぎ目の施行不良について
【現状】
クロス下地のプラスターボードジョイント部が隆起している。
【調査者考察】
施工精度の問題で、職人の腕にかかってくるところであるが、プラスターボードのジョイント部はパテ処理するため、 建物のゆれに乗じて、可塑性が出やすい。このため、このような継ぎ目を完全に目立たないようにすることは現実として難しい。しかし、クロスのテクチャーをごつごつした感じのものにすることや、光が横に広がらない照明器具などを使うことによって、ジョイント部を目立たなくすることは可能である。
手抜き工事による天井のわん曲、クロスのひび割れ
■邸名 Y様邸(高槻市)
■建物 木造2階建 在来工法 築7年
■書類 土地建物売買契約書、重要事項説明書、平面図
■調査 平成19年12月8日午前10時より現場にて立合人5名による
■調査員 吉岡 五郎
①2階洋間2室、天井クロスヒビ割れ、幅0.3m/m、引っ張り割れがあった。
洋間8帖の中心部の天井に端から端まで連続してヒビ割れしている。原因としては天井裏の調査により別途図のようなことがわかった。下地の石膏ボードは継ぎ手部分で桟木を升組に組んで、釘で固定すべきところ、桟木がないので、天井の梁が下がる等により、わん曲して引っ張りヒビ割れが生じたと思われる。改修には升組に桟木を新たに入れて、ボードを固定して又吊木で水平になる様調整して、パテ処理の上クロスの張替が必要。問題は一方向のみの桟木によるボード下地は、色々問題を生じるので、升組の桟木下地が基本工法であるから施工方法を改良すべき。このままでは欠陥による手抜き工事に当たるので、業界の反省も必要と思われる。
② 2階洋間2室、壁窓上小壁のクロス堅割れ巾0.3m/m が生じた。
窓の上の下地枠は105m/m×1/2材で小壁の竪巾400m/mと窓を支える枠としては弱く、小壁の垂れ下がりも加わって、クロスの竪割れが生じたと思われる。改修には下地の桟補強の上、ボード釘打ちの上ボード割れには接着材にて補強しパテ処理の上、クロス張替が必要である。その他のクロスヒビ割れについても、同じ様に改修すべきである。